この記事では、Chat GPTを利用して、与えられたデータを整形し、誤りや不足があれば指摘する方法を紹介します。具体的には、請求書データを例に挙げ、データを構造化し、2列のテーブル形式で出力する手順を解説しています。また、誤りのあるデータについても指摘することができるか検証しました。
プロンプト(データ整形・誤り指摘)
本記事で利用するテンプレートを先に示します。step by stepで流れを指示するのがコツです。
あなたはデータを構造化する役割をします。
以下[データ]があります。以下のステップに従ってデータを構造化してテーブル形式で出力してください。
[ステップ1]
[データ]より、データの構造を論理的に推測して構造化のための項目を作成する
[ステップ2]
[ステップ1]で構造化した項目に従って、[データ]の内容を2列のテーブルに反映する
[ステップ3]
構造化したデータを注意深く分析して、データに誤りや不足があれば指摘してください
[データ]
XXX...
「xxx…」に対象のデータを貼り付けると、ChatGPTが分析してデータを整形・データに誤りや不足があれば指摘してくれます。出力形式は2列のテーブルとしました。
請求書データの構造化と誤り指摘(誤り無し)
請求書データの構造化
データについては、エクセルでもフリーテキストのデータでもなんでもよいですが、ここでは1例として、以下のようなエクセルの請求書データを使ってみます。エクセル表をドラッグしてコピーします。そして、上記のプロンプトの[データ]に貼り付けます。以下はサンプルの請求書のエクセルデータのキャプチャ画像です。
プロンプト
あなたはデータを構造化する役割をします。
以下[データ]があります。以下のステップに従ってデータを構造化してテーブル形式で出力してください。
[ステップ1]
[データ]より、データの構造を論理的に推測して構造化のための項目を作成する
[ステップ2]
[ステップ1]で構造化した項目に従って、[データ]の内容を2列のテーブルに反映する
[ステップ3]
構造化したデータを注意深く分析して、データに誤りや不足があれば指摘してください
[データ]
請 求 書
テスト株式会社 御中 No 1001
請求日 2023/04/30
下記のとおり、御請求申し上げます。 サンプル株式会社
件名 サンプルプロジェクト 〒100-0001
支払期限 2022/05/31 東京都千代田区千代田1-1-1
振込先 サンプル銀行 本店 普通 1111111 サンプルビル3階
サンプル(カ TEL:99-0000-0000
担当:サンプルジロウ
繰越金額 10,000 円
合計 267,950 円 (税込)
摘要 数量 単位 単価 金額
サンプル1 1 式 2,000 2,000
サンプル2 1 式 50,000 50,000
サンプル3 1 式 100,000 100,000
サンプル4 5 式 4,500 22,500
サンプル5 1 式 10,000 10,000
サンプル6 2 式 10,000 20,000
サンプル7 1 式 10,000 10,000
サンプル8 1 式 10,000 10,000
サンプル9 1 式 10,000 10,000
小計 234,500
消費税 23,450
合計 257,950
備考
Chat GPT 回答
[ステップ1]
データの構造を論理的に推測して、以下の項目を作成します。
- 請求書番号 (No)
- 請求日 (Invoice Date)
- 件名 (Subject)
- 支払期限 (Due Date)
- 振込先 (Payment Method)
- 繰越金額 (Carryover Amount)
- 摘要 (Description)
- 数量 (Quantity)
- 単位 (Unit)
- 単価 (Unit Price)
- 金額 (Amount)
- 小計 (Subtotal)
- 消費税 (Consumption Tax)
- 合計 (Total)
- 備考 (Remarks)
[ステップ2]
上記の項目に従って、[データ]の内容を2列のテーブルに反映します。
項目名 | 内容 |
---|---|
請求書番号 | 1001 |
請求日 | 2023/04/30 |
件名 | サンプルプロジェクト |
支払期限 | 2022/05/31 |
振込先 | サンプル銀行 本店 普通 1111111 サンプル(カ)TEL:99-0000-0000 担当:サンプルジロウ |
繰越金額 | 10,000 円 |
摘要 | サンプル1 |
数量 | 1 |
単位 | 式 |
単価 | 2,000 円 |
金額 | 2,000 円 |
小計 | 234,500 円 |
消費税 | 23,450 円 |
合計 | 257,950 円 |
備考 | |
摘要 | サンプル2 |
数量 | 1 |
単位 | 式 |
単価 | 50,000 円 |
金額 | 50,000 円 |
… | … |
摘要 | サンプル9 |
数量 | 1 |
単位 | 式 |
単価 | 10,000 円 |
金額 | 10,000 円 |
小計 | |
消費税 | |
合計 | 267,950 円 |
備考 |
[ステップ3]
データには誤りや不足が見当たりません。
説明
Chat GPTに2列のテーブルで貼り付けたデータを整理してもらいました。各ステップ毎に説明してくれるので、何の処理をしているのかが明確でよいですね。[ステップ3]では特に誤りがないとのことでした。(実際にデータ入力等の誤りが無いデータになっています)。
請求書データの構造化と誤り指摘(誤り有り)
データに誤りがある場合、Chat GPTの回答を見てみます。
誤りデータで試す
以下2つの誤りを混ぜてみます
- サンプル6の金額を数量2であるが、数量1として計算
- 合計金額の実際の金額から-11,000円引き算
これで指摘してくれるかChat GPTの回答をみてみましょう。
Chat GPT 回答
[ステップ1]
以下の項目を作成します。
- 請求書番号
- 請求先会社名
- 請求日
- 件名
- 支払期限
- 振込先銀行名
- 振込先口座番号
- 担当者名
- 繰越金額
- 合計金額(税込)
- 詳細(商品名、数量、単位、単価、金額)
- 小計
- 消費税
- 備考
[ステップ2]
上記の項目に従って、以下のようにデータを2列のテーブルに反映します。
項目 | データ |
---|---|
請求書番号 | 1001 |
請求先会社名 | テスト株式会社 御中 |
請求日 | 2023/04/30 |
件名 | サンプルプロジェクト |
支払期限 | 2022/05/31 |
振込先銀行名 | サンプル銀行 本店 |
振込先口座番号 | 普通 1111111 |
担当者名 | サンプルジロウ |
繰越金額 | 10,000 円 |
合計金額(税込) | 245,950 円 |
詳細 | |
商品名 | 数量 |
サンプル1 | 1 |
サンプル2 | 1 |
サンプル3 | 1 |
サンプル4 | 5 |
サンプル5 | 1 |
サンプル6 | 2 |
サンプル7 | 1 |
サンプル8 | 1 |
サンプル9 | 1 |
小計 | |
消費税 | |
合計 | |
備考 |
[ステップ3]
データには、誤りや不足は見当たりませんが、以下の点について注意が必要です。
- 詳細部分の金額計算が正しいかどうか確認する必要があります。
- 小計、消費税、合計の金額が正しく計算されているかどうかを確認する必要があります。
- 備考欄が空欄のままであることを確認する必要があります。
また、日付の書式が一部異なっていますので、統一する必要があります。例えば、請求日は「2023/04/30」、支払期限は「2022/05/31」となっていますが、どちらも「年/月/日」の書式で統一する必要があります。
説明
[ステップ3]を見ると、見当たらないと言ってますね、、注意点については説明してくれています。詳細と合計の金額について注意するように指摘がありますが、間違いを見つけてくれたわけではなさそうです。また、テーブルを2列にして出力させているので、間違い等の法則は見つけられないのかもしれません。
プロンプトを工夫して、請求書内部の計算ロジックを伝えたり、注意点や間違いの事例等を与えればうまく指摘してくれるかもしれません。
まとめ
この記事はChat GPTが与えられた請求書データを整形し、誤りを指摘するプロンプトについての検証を行いました。
プロンプトを利用する際には、ステップごとに論理的にデータ構造を推測し、項目を作成する必要があります。
誤りがないデータに対しては、Chat GPTは的確に整形し、誤り指摘はありませんでした。しかし、誤りを含むデータに対しては、詳細と合計の金額について注意するように指摘がありましたが、具体的な間違いは見つかりませんでした。
プロンプトを改善することで、請求書内部の計算ロジックを伝えたり、注意点や間違いの事例等を与えることで、より正確な誤り指摘を得ることができるかもしれません。
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