最近、プロンプトの最適化に関するコツやノウハウが盛んに共有され始めています。この流れに乗って、ChatGPTによるプロンプト最適化を活用すれば、より目的に沿った良い結果を引き出すことが可能です。プロンプトを工夫することで、ChatGPTとの効果的なコミュニケーションが実現し、自身の抽象化された目的を具体的に達成しやすくなるかと思います。
本記事では GPT 3.5のモデルを使っています。
プロンプトを最適化するプロンプト
FlowGPT
Flow-GPTという、プロンプトのシェアサイトで投稿されていたプロンプトを参考に日本語で使える形のプロンプトを作成しました。
FlowGPT
参考にするプロンプト(FlowOpter – chatGPT prompt optimizer)
プロンプト(FlowOpter – chatGPT prompt optimizer)
Act as a chatGPT prompt optimizer. I will provide a chatGPT prompt. You will first ask some questions. Then you will optimize the prompt based on the principle below, to make the result effective and relevant.
Here is the principle:
clearly defining the task or role of the prompt
providing clear and concise instructions
establishing evaluation criteria
incorporating best practices and industry standards
tailoring the prompt to the intended audience
providing relevant resources.
accurately describe specific terms that chatGPT may confuse
Here is one example of before and after optimizing:
Before: "What are B2B startup ideas that use ChatGPT?"
After: "Act as a serial entrepreneur. I will provide some context. B2B is a situation where one business makes a commercial transaction with another. You will provide a 3 B2B startup idea that uses chatGPT based on my background. And it unites extremes: it should risk a lot but nevertheless be easy to implement. Everyone should talk about it, but existing customers should not be irritated by it. The final result will be in the format of [Idea] : [Description], [Easiness to implement in scale of 10], [Potential score in scale of 10]. The result should be specific and constructive, including next steps that I need to investigate. Here is the context: I have been working in the tech industry for 7 years. I was graduated from a top public College, joined an e-commerce tech company as a software engineer for 4 years. Then switched to software development manager for 3 years. I got my MBA degree from a top business school. Have done venture capital investment for more than 1 year. “
The prompt I want to optimize is "Write an article to introduce FlowOpter". Now ask me questions.
※ FlowGPTのサイトより引用
これをChatGPTを使って日本語で使える形にしました。
プロンプトテンプレート
チャットGPTプロンプト最適化者として機能してください。私はチャットGPTプロンプトを提供します。最初にいくつかの質問をします。その後、以下の原則に基づいてプロンプトを最適化し、結果を効果的で関連性のあるものにします。
原則は以下の通りです: プロンプトのタスクや役割を明確に定義する 明確で簡潔な指示を提供する 評価基準を設定する ベストプラクティスと業界標準を取り入れる プロンプトを対象とするオーディエンスに合わせる 関連するリソースを提供する チャットGPTが混乱する可能性のある特定の用語を正確に説明する
最適化前後の例は以下の通りです:
前: 「B2Bスタートアップのアイデアは、ChatGPTを使用したもので何ですか?」
後: 「シリアルアントレプレナーとして行動してください。私はいくつかの文脈を提供します。B2Bは、あるビジネスが別のビジネスと商業取引を行う状況です。私の背景に基づいて、チャットGPTを使用した3つのB2Bスタートアップアイデアを提供してください。それは極端を結びつけるものでなければならない:多くのリスクを冒すが、それでも容易に実装できる。みんながそれについて話すが、既存の顧客はそれによってイライラさせられない。最終結果は、「アイデア:説明、実装の容易さ(10点満点)、潜在的なスコア(10点満点)」の形式である。結果は具体的で建設的であり、私が調査する必要がある次のステップが含まれている。ここで文脈:私は7年間、テクノロジー産業で働いてきました。トップ公立大学を卒業し、4年間ソフトウェアエンジニアとして電子商取引技術会社に入社。その後、3年間ソフトウェア開発マネージャーに転向。トップビジネススクールでMBAを取得。1年以上ベンチャーキャピタル投資を行ってきました。」
最適化したいプロンプトは以下の通りです。
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質問をどうぞ。
「最適化したいプロンプトは以下の通りです。」の箇所にプロンプトを入れることでChatGPTから質問が来ます。その質問をもとに改善したプロンプトを教えてくれます。
プロンプトを最適化させてみる
シンプルなプロンプトの最適化
波線の箇所に以下をいれてプロンプトを送信します。(波線以外の箇所は省略)
AIによる業務の自動化を推進したいです。アイデアをください。
ChatGPT回答
以下の質問にお答えください:
どのような業務を自動化したいですか?
どのような規模の企業ですか?
どのような業界で事業を展開していますか?
どのような問題を解決したいですか?
具体的な質問が帰ってきました。これに対して以下のように返答してみました。
1. 記事作成業務
2. 100人くらいです
3. メディア事業を運営しています
4. クオリティの高い記事をよりコスパよくつくりたい
上記プロンプトに対する返答
ありがとうございます。以下のようにプロンプトを最適化いたしました。
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自社メディア事業において、記事作成業務の自動化を検討しています。100人規模の会社です。クオリティの高い記事をより効率的に生産するために、AIを活用するアイデアを提案してください。
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上記のプロンプトに基づいて、AIによる業務自動化についてのアイデアをご提供いただけますでしょうか。
いいですね。正直なところこれくらいであれば自分で考えて打ち込んだほうが早いかもですが、非常に抽象的なアイデアなどでAIと壁打ちするのに使えるかもしれません。
最適化したプロンプトを使ってみる
では波線の中身を送信してみます。以下回答です。
はい、AIを活用して記事作成業務を自動化することは可能です。以下に、具体的なアイデアを提供します。
自然言語処理(NLP)による記事の自動生成: AIを活用することで、記事の大枠を自動生成することができます。例えば、AIに対して特定のテーマを与えることで、自動で記事のタイトルや概要を生成し、その後に必要な部分を人間が埋める、あるいはAIによる補完を行うことができます。
構成や表現の自動化:AIを活用して、文章の構成や表現を自動化することができます。例えば、特定のパターンに合わせて文章を生成することができます。これによって、ライターが毎回同じパターンで記事を書く必要がなくなり、効率的な記事作成が可能となります。
校正支援:AIによる文章の校正支援を行うことで、ライターが書いた記事の文章や表現の問題を自動的に修正することができます。これにより、クオリティの高い記事をより迅速に生産することが可能となります。
記事タグ付けの自動化:AIを活用して、記事のカテゴリーやタグ付けを自動化することができます。これにより、ライターがカテゴリーやタグを決定する手間が省け、より迅速かつ正確なタグ付けが行われます。
以上のように、AIを活用することで、自社メディア事業において記事作成業務の自動化が可能となります。ただし、AIを正確に活用するためには、適切なデータの準備や、アルゴリズムの最適化、精度の向上が必要となります。
元の抽象度の高いプロンプトに対する回答は以下となっています。
よりやりたいことに沿った回答が得られており、抽象的なプロンプトを具体化するために活用できそうです。
まとめ
本記事では、抽象度の高い質問やアイデアをChatGPTに質問し、改善文を作成するための「プロンプトの最適化」について紹介しました。このアプローチは、AIとの壁打ちやアイデアのブレインストーミングに有益な場合があります。しかし、プロンプトの過去の流れを踏まえたGPT-3.5は、時折不適切な解釈をしてしまい、期待通りの回答が得られないケースも多々あります。
最適化されたプロンプトは、より適切な回答やアイデアを引き出すために役立ちますが、その過程でユーザーは適切な質問の仕方や表現を試行錯誤する必要があります。このような最適化を行うことで、AIを効果的に活用し、コミュニケーションの質を高めることができます。
今後、AI技術の進歩とともに、プロンプト最適化の方法や手法もさらに洗練され、AIと人間の協力関係がより円滑になることが期待されます。最適なプロンプト作成には注意が必要ですが、技術を適切に活用することで、可能性が広がりそうです。
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